日々綴(とある私立大学職員)

思うことを書いていこうと思います。主として大学関連の話題。ただし、それ以外も(とある私立大学職員)

私学助成

 医学部の不正入試による補助金の減額のニュースがあった。

 東京医大私学助成金ゼロに、アメフット日大35%減額 私学事業団が決定

https://mainichi.jp/articles/20190122/k00/00m/040/093000c

 

 入試の不正があった東京医科大学は、2018年度と2019年度の補助金を全額不交付。

 アメフトのタックル問題があった日本大学は、2018年度の補助金を35%減額。

 不適切な入試があったとされる7大学(岩手医科大学昭和大学順天堂大学北里大学金沢医科大学福岡大学)は2018年度の補助金を25%減額となっている。

 

 今回の補助金の減額は私学助成の補助金である。自分の整理も兼ねて、補助金について少し整理したい。なお、あくまでも自分の整理のためであるため、誤りがあればその都度修正する予定。ご指摘は大歓迎です。

 

 まず、私学助成とは、私立学校を設置する法人に対し、国や都道府県が交付する補助金で、平成30年度の予算概要(案)からすると、

 ①私立大学等経常費補助金

 ②私立高等学校等経常費助成費補助

 ③私立学校施設・設備の整備の推進

 の3つ。大学関連は①と③である。なお、これら3つ以外にも研究者への科学研究費など、研究者に交付される補助金もある(これについても大学に交付されるので、大学の補助金と言ってしまえばそうだが)

 平成30年度 私学助成関係予算(案)

http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2018/01/16/1400425_2.pdf 

 

 それぞれ、

 ①私立大学等経常費補助金は国から私学事業団を通じて交付

 ③私立学校施設・設備の整備の推進は文部科学大臣が交付

 される。

 私立大学等経常費補助金交付要綱

http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/002/002/__icsFiles/afieldfile/2018/11/19/1235002_1.pdf

 私立学校施設整備費補助金交付要綱

http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/002/003/__icsFiles/afieldfile/2018/10/18/1230531_001.pdf

 

 今回、不交付あるいは減額された私学助成は経常費補助金であるため、そちらに絞って話をすると、経常費補助金は、一般補助と特別補助に分かれる。

 一般補助は、大学の教職員の給与等にかかる費用に対して支払われる補助金のことであり、継続してかかる経費に対する補助である。

 特別補助は、国際的なプログラムの実施や社会人の受け入れなど、特色のある取り組みに対して支払われる補助金である。

 これらについては、私の説明よりも進研アドのbetween2018 7-8月号 p13が分かりやすいので参照してもらいたい。

http://shinken-ad.co.jp/between/backnumber/pdf/2018_7_tokushu.pdf

 

 この進研アドp13下部にあるように、補助金の最終交付は年度の3月であり、今回の補助金の不交付、減額は交付前の決定であることがわかる。私自身、補助金の申請部署の所属ではないため、補助金にかかわる基礎資料の作成には関わっていても、補助金が実際にいつ来ているのかははっきりとは把握していなかった。そのため、上記のニュースで該当校は来年度のものだと認識していたが、今年度(2018年度)の交付金であることがわかる。

 

 次に、どういった理由で補助金が減額されるのかを見てみたい。

 平成30年3月 私学事業団 私立大学等経常費補助金取扱要領では次のように記載されている。

 https://www.shigaku.go.jp/files/29.pdf

4.補助金の減額等
[減額又は不交付の事由及び措置]
(1) 事業団は、学校法人等(私立大学等を設置する学校法人、私立大学等及び私立大学等に所属する学部等(大学の学部、短期大学及び高等専門学校の学科、分校、大学院の研究科並びに附属研究所、附属病院、同分院その他の附属機関をいう。以下同じ。)をいう。以下同じ。)が次の各号の一に該当する場合には、原則として、その状況に応じ、当該学校法人等に係る私立大学等経常費補助金配分基準(以下「配分基準」という。)Ⅴの6別記7の2及びⅤの7別記8による増額を除く補助金(以下「一般補助」という。)の10%、25%、50%又は75%に相当する額を減額して交付するものとする。ただし、その状況が著しく、補助の目的を有効に達成することができないと認めるときは、補助金の全額を交付しないものとする。
ア 私立大学等経常費補助金、私立大学・大学院等教育研究装置施設整備費補助金又は私立大学等研究設備等整備費補助金を他の用途へ使用し、その他補助事業に関して当該補助金の交付の決定の内容若しくはこれに付した条件その他法令若しくはこれに基づく所轄庁の処分に違反し又は偽りその他不正の手段により当該補助金の交付を受けたもの
イ 学校法人の財産を不正に使用したもの
ウ 財産目録、貸借対照表、収支計算書、事業報告書又は監事の監査報告書に記載すべき事項を記載しなかったもの又は虚偽の記載をしたもの
私立学校法第 47 条に定める財産目録、貸借対照表、収支計算書、事業報告書又は監事の監査報告書の備付け及び閲覧義務に違反したもの
オ 事業団又は地方公共団体地方公共団体から補助金又は貸付金を受けて私立学校の助成を行う法人を含む。)からの借入金に係る契約条項に違反し、その返還を請求されたもの(請求に基づき、その全部又は一部を返還した場合を含む。)
カ 入学に関する寄付金又は学校債の収受等により入学者選抜の公正が害されたと認められるもの
キ 偽りその他不正の手段により設置認可を受けたもの
ク 学校経営に係る刑事事件により役員又は教職員が逮捕及び起訴されたもの
ケ 役員若しくは教職員の間又はこれらの者の間において訴訟その他の紛争があり、教育研究その他の学校運営が著しく阻害され、又はその機能の全部若しくは一部を休止しているもの
コ 理事会又は評議員会が長期間にわたり開催されず、教育研究その他の学校運営が著しく阻害され、又はその機能の全部若しくは一部を休止しているもの
サ 教職員の争議行為等又は学生による施設の占拠若しくは封鎖、授業放棄その他の正常でない行為により、教育研究その他の学校運営が著しく阻害され、又はその機能の全部若しくは一部を休止しているもの
シ アからサに掲げる事由のほか、私立学校振興助成法第5条第1号又は第5号に該当する場合で必要があると認められるもの

 

[減額又は不交付の措置の例外]
(2) 事業団は、(1)の各号の一に規定する事由の状況に応じ、(1)に規定する減額又は不交付の措置を講じる必要がないと認めるときは、一般補助の10%未満に相当する額を減額して交付又は減額若しくは不交付の措置を講じないことができるものとする。
(3) 事業団は、国又は事業団が交付する補助金等の返還を命じられた学校法人等について、一般補助の10%に相当する額を限度として、当該返還を命じられた金額(加算金を除く)に相当する額を一般補助から減額して交付することができるものとする。

 私立学校振興助成法の該当部分は次のとおりである。

補助金の減額等)
第五条  国は、学校法人又は学校法人の設置する大学若しくは高等専門学校が次の各号の一に該当する場合には、その状況に応じ、前条第一項の規定により当該学校法人に交付する補助金を減額して交付することができる。
一  法令の規定、法令の規定に基づく所轄庁の処分又は寄附行為に違反している場合

(略)
五  その他教育条件又は管理運営が適正を欠く場合

  東京医科大学を含む医学部の入試関連は私立大学等経常費補助金取扱要領4「カ入学に関する寄付金又は学校債の収受等により入学者選抜の公正が害されたと認められるもの」で、日本大学のアメフトの事件は「シ→私立学校振興助成法第5条第5号」だと思われる。

 ここで、私立大学等経常費補助金取扱要領からすると、減額は10・25・50・75・100%となっているが、日本大学の35%は、[減額又は不交付の措置の例外]の(3)によって10%が加算されたものだと思われる。

 

 

 なお、上記新聞報道での経常費補助金は次の通りであるが、私学事業団の交付額一覧を見ると、この金額は一般補助と特別補助を合わせた経常費補助金であることがわかる。

 上記ニュースによる補助金

 日本大(17年度約91億円) 岩手医科大(17年度支給額約18億円)▽昭和大(同約54億円)▽順天堂大(同約55億円)▽北里大(同約40億円)▽金沢医科大(同約12億円)▽福岡大(同約37億円)

 平成29年度私立大学等経常費補助金 学校別交付額一覧

 https://www.shigaku.go.jp/files/s_hojo_h29a.pdf

 

 ただし、私立大学等経常費補助金取扱要領によれば、全額不交付は別として、減額は一般補助のみであり、新聞報道の金額は誇張しているように見える。特別補助の減額について、同私立大学等経常費補助金取扱要領を見ると、減額はできるのだが、減額されるのは一般補助のみではないだろうかと推測している。これについて、詳しい方がいれば話を伺いたい。

[特別補助の減額又は不交付の措置]
(4) 事業団は、(1)、(2)又は(7)の規定により一般補助の減額の措置を受けた学校法人等について、当該減額の措置を受けることとなった事由の状況に応じ、私立大学等経常費補助金配分基準Ⅴの6別記7の2及びⅤの7別記8による増額の補助金(以下「特別補助」という。)を減額して交付又はその全額を交付しないことができるものとする。

 

 とりあえずここまで。久々に長々と真面目な記事を書いてしまったのだけれど、読んでみてわかりづらい箇所があれば修正したり、さらに記事を追加したりすることがあるかもしれない。

お金を払った方が立場が上?

 ちょっと仕事を見ていて、業者さんに対する態度が横柄な職員がいる。聞いてみると、こちらはお金を払っているんだから、やってもらって当然だとのこと。

 

 本当にそうだろうか。

 じゃあ学生さんはお金(学費)を払っているんだから自分たちは何でもやってもらって当然というと、そうではないらしい。

 自分の都合の良いように解釈してないか。

 

 仕事に対する対価は払って当然で、それに対する正当な要求はしていいと思うけれど、あくまで立場は対等であって、そこには誠実さというか、相手に敬意を払うべきと思っている。

 

 サービスに対する対価は時に、あるいは結果的に金額以上や金額以下になることもあるけれど、どう付き合うかでその後の関係性も変わってくると個人的には思っている。

 

 自分がされて嫌な依頼や態度は相手にはしたくない。

 

 ただ、ここで難しいのが、それを伝えるべきかどうか。それぞれ考え方はあるし、相手との関係性にもよる。また、伝えて伝わる人かどうかもある。自分の個人的な意見として…と伝えてみるかなとも思うものの、いつも悩むところ。

2019年

 昨年末の挨拶もせず新年を迎えましたが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 年末年始は若干体調を崩していた(現在進行形で崩している?)ので、ゆっくり家で過ごしました。昔に比べて休みが少なくなったと言われるものの、今の休みをいただけるだけでありがたいです。

 

 さて、来年度から働き方改革の関係で、年間に有休を5日以上取得するのが義務付けれます。具体的には年10日以上の有休がある人は5日以上を消化するようにとのこと。

style.nikkei.com

 

 こういう仕組みを整えるのも大事だなと思う。大学職員は楽だと言われるものの、有休なんて就職して5年目で初めて取ったし、10年目までで有休消化はたぶん5日もなかったと思う。意外と忙しかったのと、忙しい分、休むとその後が大変で取れなかったのも。体調不良の時はどうしてたかというと、体調不良で休日出勤の振り替えがやっととれるという感じ。そういう意味では変わったなと思う。

 

 こういう変化が起きるからこそ、業務のやり方や見直しのいい機会だと思っているので、これを機会に効率的に、省エネで仕事したいし、必要ない業務はやめたい。そのいいチャンスだと思う。

 

 ただし、大学の場合は教員の有休が問題。もともと時間管理がされていない、裁量労働制での働き方なので、そこをどうするのか。なんとなく自大学の動きも見えてきているものの、あまり書けないこともあるので、他大学の状況が知りたいところ。

科学から逃げるな

 科学から逃げるな。これは自分に対しても思うことだ。

 大学ではさまざまな施策が実施されるが、それが科学的な根拠に基づいて実施されているかというと疑問符がつく。こう思うからこうだとか、他大学でやっているからとか、効果がありそうだからなどなど。

 

 ただ、本当に期待した効果があるのだろうか。疑ってかかる必要はある。

 

 先日、ある会で他の大学職員の発表を聞く機会があった。確かに面白い取り組みで、効果もある事例だった。しかし、さまざまな要因で効果が出ていると考えられるという結論で、科学的な根拠の不足を感じた。効果はあることはあるというのはわかるのだが、果たしてそれがどういった要因なのか、もう少し科学的な根拠に踏み込んで話をしてもいいのではないかと思った。それがその大学特有の要因であったりする場合もあり、他大学でも再現可能性があるのか等。

 また、同様の取組みを他大学にも広げるようなことをしてはどうかとの話をしてみたが、自分は教員じゃないからそこまではしないという話だった。教員から突っ込まれるから…と。

 これは分からなくもないのだが、大学は教育、研究の場である。職員だからといって科学から逃げるべきではない(心の中では逃げてんじゃねーよと毒づいた)。

 

 自分自身も統計的な知識や考え方が身に付いているわけではないし、大きな知識不足を感じている。だからと言ってそこから逃げるべきではない。

 

 エビデンスが重要視され過ぎることには危機感を持つが、一定程度エビデンスは重要視すべきだと思っている。

 

 今やっていることは本当に効果がありますか?

 盲目的に効果があると思っていませんか?

 根拠があったとしてもそれは恣意的に導いた結果ではありませんか?

 一部の人のみの利益になっていませんか?

 

 疑うばかりではいけないけれど、本当にそうかな?と疑ってみることは大事だと思う。

人は人、自分は自分

 ある方からの言葉をもらって、改めて人は人、自分は自分だと思った。自分の基準を人に当てはめてはいけない。

 

 仕事の仕方しかり、スピードしかり、優先順位しかり。

 自分は人がかかわるものは早く出すのだけれど、人もそうとは限らない。優先順位が違うのだろう。そこにストレスを抱えるよりは、その間に次に備えて準備をしておく。そうすることが自分にとっても相手にとってもいいことだと思う。

 で、ぎりぎりになって締め切りがその日とかだったりするのはちょっとムカッとくるけれど(苦笑)

 

 仕事ではせっかちと言われたりすることもあって、それはそうかもなと思う。早め早めに終わらせてると、次の準備ができるし、何らかのトラブルがあってもさっと対応できる。だからあまり仕事は抱えておきたくないし、済ませてしまえば忘れられるから、多分仕事は早い方?なのだろうか。これがせっかちと言われることもある所以。

 それはそれで別に構わないけれど、それを人にまでは強要しないでおこうと思う。

確定申告の準備

 仕事とは関係のない記事(記録)なので読み飛ばしください。

 

 休みをもらって、税務署に確定申告のためのIDとパスワードをもらいに行った。

 確定申告が必要なのは医療費とふるさと納税のため。ふるさと納税はワンストップにすればいいところを少額で5自治体以上にしてしまったことから深刻が必要になっている。

 

 せっかく税務署に行ったということで、確定申告時の医療費の相談も併せてしてもらい、交通費の領収書のないものであったりはどうしたらいいのかを相談にのってもらった。

 

 その後、本人確認をし、IDとパスワードの発行に移ったのだが、職員の方と一緒にパソコンで申請をする。パソコンが使えないと思われたのか、口頭で言うと、それをもとに職員の方が入力する形式。パスワードのところになると流石にこちらに代わってもらって入力。だけれどもパスワードがマスクされない仕様…。マスクってこういうの→****。

 入力してもバッチリ表示されるもんだから、その場面から職員の方は目を背けてこちらで入力。最後に印刷をされるのだが、そこにもパスワードがバッチリ表示されるため、裏面を向けて渡されるという仕組み。

 

 パスワード忘れやお年寄りの方のための仕様なのだろうが、税務署のシステムは大丈夫だろうか?と不安になった。心の中でマイナンバーカードは申請しないでおこうと決めた。

諦め

 年をとったせいか、諦めてしまうことが増えた気がする。

 いいことなのか、悪いことなのかはわからない。

 

 具体的には、自分とは合わないな、あるいは議論しても変わらないなと思ってしまった人には思ったことを言わなくなった。もっと若いころ、入職してすぐの頃は、そう思っても諦めずに自分の意見を伝え、議論をしていた気がする。

 

 今ではそこに使う時間や労力がすごくもったいない気がして、言いたいことを飲み込んでしまうことが増えた。それがいいことなのかどうなのかは自分でもわからない。

 

 ただ、大事な人には変わらず思ったことを伝え続けていきたい。

 

 ここからは少し具体的な話になるが、ある後輩から「他もやってるから」という理由でやるべきだという話があった。それはそれで正しいことなのかもしれないけれど、価値判断を自己ではなく他己に預けていることがどうなのかな?周りがやっていればやっていいのか?他がやっていれば正しいのか?そういう疑問って大事だと思うし、常識を疑う姿勢は持っていたいなと個人的には思う。

 その後輩にはそれを伝えることはしなかった。これまで議論が噛み合ったことがなかったから、口を噤んだのだ。

 

 その選択はどうだったのかな?と今更ながら思う。組織を動かす時には人を巻き込むことが必要だから、将来を考えるとこういう時にも諦めるべきじゃなかったのかな?と。

 

 大人になったのか、諦めが早くなったのか、良い意味で青さは残しておきたいのだけれど。