研究不正の問題
NHKで研究不正の番組があった。
競争的資金の導入、国立大学の運営費交付金減額の問題等。引用される論文数が多い雑誌、nature、scienceなどのインパクトファクターについて。
科研費の申請について、審査者が年間相当数の論文を審査していること等は知らなかったことだった。審査時には専門外の論文もあり、その際は業績の掲載雑誌のインパクトファクター(影響力の高い雑誌)に頼らざるを得ないところがあるという。
私が思うに、特に日本の場合は肩書に弱い気質もあって、掲載論文によって印象が左右されるところはあるんだろうなと。実際に番組を見て、審査されたものを再審査する仕組みは必要ではないかと思った。審査者も専門外である可能性があること、もしかしたら、審査者の専門に関わるようなものであれば低く評価されるのではないかという懸念などから。
アメリカでは、インパクトファクターではなく、実際の研究内容を見て審査をするという。もちろん、それがベストなのだけれども、今の日本の仕組みでは、それに頼らざるを得ないよなと思う次第。
競争≠絶対善ではない。競争が全くないことは良いことではないが、過度な競争は逆に不利益となる。
大学ってお金を持ってそうと思われるけれども、決してそんなことはない。少子化の現在、どこの大学も厳しい現状がある。ただ、そんななかでも、優秀と呼ばれる人たちでさえ研究費を得るために奔走する。それはそれで仕方のないことなのかもしれないけれど、大学の研究者には、夢中になって未知の分野を知ろうと、楽しそうに研究に没頭する姿というものを大学生には見せられるような状況になってほしいなと思う。