久々にコラムを読んで心動かされた
斉藤ウィリアム浩幸氏のコラムを久々に読んでみた。
この方を知ったのは、日経新聞に掲載されていたコラムがきっかけで、毎回コラムが掲載される度に楽しく読んでいた。また連載をしていただければと思う。
さて、今回読んだなかで、特に母校(高校)の卒業式でのメッセージが素晴らしかったので、紹介したい。
氏が卒業した高校では100時間のボランティアが設けられているようで、その意味と意義について述べている。一部抜粋しても良かったのだが、意味が変わる可能性を考慮し、長文だがそのまま引用する。引用元は下記のとおり。
今日のボランティアが、明日の世界をどれくらい変えるのか。それはわかりません。しかし、自信を持って言えるのは、ボランティアに費やした100時間は、確実にあなたを変えたということです。人のために何かをしたいという欲求は、現実社会に貢献する際のもっとも重要な動機のひとつです。ビル・ゲイツやアンジェリーナ・ジョリーといった皆さんにとってのヒーローといえる成功者たちにボランティア精神が欠けた例はありません。正しい行いは、一生にわたって、皆さんの成功の一部になるのです。しかし残念ながら大学ではボランティア精神は教えられません。高校時代に教えられた皆さんは非常に幸運なのです。
他人を助ける活動にたくさんの時間を費やす経験には、もう1つ利点があります。人生につまづきもう一度立ち上がろうとする時には、誰もが誰かの助けを必要とすることを理解することです。ボランティア活動に参加することで、皆さんは自分自身が必要になった時に誰かの助けを求めても良いのだと学ぶことができます。現実社会では、どんな天才や秀才にも、「もう自分だけの力では頑張れません、誰かの助けが必要です」というような危機が訪れるものです。皆さんは他人を助けるという行為を通じて、他人に助けてもらうための準備も整えることができるのです。
時に、誰かに助けを請う勇気は、誰かを助ける勇気よりも大切です。皆さんは高校時代に、公平であることについても学ばれたかと思います。人生を公平にすることではありません。人生は、生まれや容姿や能力を見れば明らかなように、公平なものではないからです。人生は公平ではない。だからこそ、人を公平に扱うことは大切なのです。
ボランティア活動をすると、このことをひしひしと肌で感じるようになります。公平であることは、ダミアン高校が皆さんに教えようとしている姿勢のひとつでもあります。それは大人が子どもたちに教える聞こえの良い決まり文句ではありません。公平であることは一つの生き方であり、他の人々を尊重する方法の一つであり、あなたの性格をつくる重要な特性のひとつとなるものです。
公平である、という特性は、あなたを他の人々から際立たせ、差別化する要素になります。皆さんがこの特性を自分の人生にどう生かしていくか。それが、この高校の教育から得た重要な人生の指針のひとつになるでしょう。
興味を持った方は、元のサイトで全文を読んでもらえればと思う。
前回ブログに記載した奨学金を含め、生活保護等、様々な援助を議論する際、日本ではもっと頑張っている人がいるという議論が出る。また、そうした援助以外にもさまざまな場面で社会の不寛容さというキーワードも聞く。
そんななかで上記コラムを読んで、「人生は公平でない」、「誰もが誰かの助けを必要とする」という言葉に心動かされた。助けが必要な時は助けが必要だという勇気ももっていいんだと。助けられた後は、またいつか違う誰かを助けてあげればいいんだと。
そんな精神を持ち続けて生きていきたい。