日々綴(とある私立大学職員)

思うことを書いていこうと思います。主として大学関連の話題。ただし、それ以外も(とある私立大学職員)

高大接続改革について(推薦入試は原則、学力検査は免除の削除)

 日本経済新聞の以下の記事。

www.nikkei.com

 新聞記事の場合、読者の目を引くように一部を誇張したりすることもあるので、ここにある最終報告書原案を読んでみる。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shougai/033/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2016/03/11/1368333_6.pdf

 

 本来は全てを読むべきであろうが、私は遅読である。そのため、推薦入試の部分のみ抜粋して読んでみた。日経新聞の記事はP43の以下の部分からの記事であると推測される。

(特に現行の「AO入試」「推薦入試」について指摘されている課題の改善)

○ 現行の実施要項では、AO入試について、「知識・技能の修得状況に過度に重点 を置いた選抜基準とせず」と、推薦入試では「原則として学力検査を免除し」とい った記載がなされているが、新たなルールにおいては、いずれの入試においても「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」を適切に把握できるよう、こうした記載は 削除すべきである。

○ また、具体的な教科・科目の履修を前提としない、例えば、小論文やプレゼンテ ーション等の形式で行われる検査については、現行でも2月1日より前から実施可 能であることを明確化するとともに、こうした取組を促進する。

○ さらに、「推薦書」を求める場合において、例えば、推薦書の中で本人の学習歴 や活動歴を踏まえた「学力の3要素」に関する評価を記載することを必須とするなど、提出書類の在り方を改善する。

 

 推薦入試の現状から、学力審査を課すという意見には賛成なのだが、記事のように課すとまでの表現は上記報告書にはないように思える。学力の評価を適切に行う(P38)という記載やこれまでの調査書等をより有効活用する(P41 重要と判断する教科・科目を指定し、高等学校での単位修得や一定水準以上の評定の獲得を出願要件として求める ・ 各大学で育成を目指す人材像を踏まえ、特定の活動歴や資格・検定試験の成績 等を合否判定において重視すること などを、アドミッション・ポリシーにおいて明示すること)という記載はあるが。

 当日の議論では、そこまで踏み込んだ発言があったのだろうか。あるいは、「原則として学力検査を免除し」を削除すべきとの文言から、こういった記事になったのだろうか。もちろん、この削除が果たす役割は大きいが。

 

 現状の推薦入試には問題点は多い。ただし、自大学独自の問題もあり、なかなかこういったところでは書けないが、そのうち推薦入試の問題についても触れてみたい。