大学職員の不祥事に関する考察
大阪府立大学における以下の関係者の処分について、少々気になったので調べてみた。関係者を追及しようとかいう意図は全くないので、誤解のないようにお願いしたい。
気になったのは以下の点である。
処分対象が課長補佐(60歳)であるが、その処分の根拠規程が公立大学法人大阪府立大学非常勤教職員等就業規程であった。通常「課長補佐」というのは役職であり、名称のとおり課長を補佐する、課長に次ぐ職である。課長補佐という役職にも関わらず、非常勤職員なのか、入試という大学における最重要業務の判断を非常勤職員にさせているのかという点が気になった。
予想:60歳ということで、定年退職後の再雇用のため、非常勤という扱いなのではないか。
まず、そもそも課長補佐という職がどういった職で、どういった権限を持っているのか、非常勤職員でもなれるのかを調べてみた。
(課等に置く職等)
第13条 課等に課長補佐及び主査を置くことができる。
2~3 (略)
4 第1項の課長補佐及び主査、第2項の副主査並びに前項の主事及び技師の職は、事務職員、技術職員又はフルタイム契約職員をもって充てる。
(課長補佐等の専決事項)
第10条 課長等、監査室長及び総合企画課理事長室長の専決することができる事項のうち、あらかじめ課長等、監査室長及び総合企画課理事長室長が指定する事項は、参事、課長補佐又は主査が専決することができる。
(課長等、監査室長及び総合企画課理事長室長の専決事項の代決)
第19条 課長等の専決できる事項について、主管の課長等が不在のときはあらかじめ主管の課長等の指定する参事又は課長補佐がその事項を代決することができるものとする。
一般に事務職員、技術職員は専任と考えられるので、フルタイム契約職員というのが非常勤職員にあたるのではないかと推測。また、ある一定程度の権限を持っていることが確認できた(これは役職だと私は思う)。
次に非常勤教職員とはなんなのかを探ってみた。以下の規程によると、別表第1区分2にフルタイム契約職員というのがある。恐らくこれであると推測する。なお、原則として1年毎の更新であるが、特定業務等の場合は3年等も可能であるとのこと。
最後に、定年については以下の規程から、職員の定年は60歳に達した年度末だということが分かった。
第19条 教職員の定年は、次の各号に掲げる教職員の区分に応じ、当該各号に定める年齢とする。
(1) 教員 65歳
(2) 職員 60歳
2 教職員は、定年に達したときは、定年に達した日以後における最初の3月31日に退職する。
この処分対象の方が昨年度中に60歳を迎え、年度末(2015年3月末)で定年退職された方なのか、今年度60歳を迎えた方なのかによって扱いは異なってくるが、この点は不明である(恐らく前者だと推測するが)。なお、大阪府立大学の場合、60歳を迎えた方も63~65歳まで再雇用が可能となっている。
上記から、大阪府立大学では非常勤職員も一定程度の権限を持つことができることがわかった。これは、正規非正規にかかわらず、同一労働同一賃金、能力のある人はそれなりの処遇をするという考え方からすると望ましいことなのかもしれない。
一方で、期間を定めた非常勤職員に対してそうした職務が重すぎるのではないかという思いもある。同じ大学職員として、こうした重要業務まで非常勤職員が担当していることになんとなく違和感を覚えるのと同時に、担当できる職員が他にいないのか、あるいは雇う費用がないのか、その他の若手は育てられているのか等、憂慮すべき事態が起こってはいないかと勝手な心配をする。
私立と府立で違いはあるが、対岸の火事ではない。
ーー最後にーー
他の大学の不祥事を取り上げるのはどうかとも思ったが、大学業界の現状を考察できるものなのではないかとして取り上げた。もし関係者の方がこれをご覧になって、不快に思われたとすれば大変申し訳なく思う。その場合は、ご連絡いただければ上記記事を削除する等検討したい。