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日々綴(とある私立大学職員)

日々思うことを書いていこうと思います。主として大学関連の話題。ただし、それ以外も日々の思いをつらつらと(とある私立大学職員)

設置計画履行状況等調査の結果等について

 平成27年の設置計画履行状況等調査が文科省から出た。

 http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ninka/__icsFiles/afieldfile/2016/02/19/1367269_01_2_1.pdf

 これは完成年度(設置から第一次卒業生が出る年度まで)まで毎年続けられるもので、「意見無し」「改善意見」「是正意見」というものがあり、この順に厳しい指摘ということになっている。なお、前年度「是正意見」が出されたにも関わらず改善が見られなかった場合は「警告」が出される。警告が出されると、その後の設置認可等に影響があるため、大学としては絶対に避けるべきものである。

 もちろん完成年度を迎える年に「改善意見」等指摘があれば、その後の改善措置の報告義務や場合によっては実地視察なども行われる。

 

 さて、上記の状況について少し気になる点があった。

 それは、下記に関する指摘である。

大学設置基準第10条「大学は、教育上主要と認める授業科目(以下「主要授業科目」という。)については原則として専任の教授又は准教授に、主要授業科目以外の授業科目についてはなるべく専任の教授、准教授、講師又は助教(第十三条、第四十六条第一項及び第五十五条において「教授等」という。)に担当させるものとする。」

 

 この主要授業科目について、以前学内でも議論になったことがある。助教制度が創設された時(平成19年度創設)に、助教が授業を持つことが可能となったからである。創設時は、それまでの助手が助手と助教に分かれ、多くが助教となった。助手と助教の違いは教育資格、つまり講義を担当できるかどうかが主である。創設後、しばらくは助手時と同様に実験の補佐をしつつ、担当者としてそれを表に出すのみであったが(新たに講義担当手当は支給)、助教に教育業績を積ませたいとの意向から、徐々に助教にも講義をさせたいという方針に変わってきた。

 

 その際、どこまで助教に持たせるかという議論になり、この主要授業科目の議論になったわけである(若干学内の議論とは違うが表に出せない部分もあるため、その辺りは分かりやすくしたものとしてご理解ください)。一般的には、主要授業科目という名から必修科目であるのだろうが、必修科目であっても主要というよりはその分野の基礎である科目、あるいは選択科目であっても学科として重要な位置づけの科目というのがある。そういった意味で主要授業科目の位置づけが難航した。

 指摘を受けにくい必修科目等にしたい職員側と、助教への教育業績を積ませたい、教授等の負担を減らしたい教員側との対立である。

 

 その際色々調べてみたが、主要授業科目とは具体的にどういった科目なのか、他大学の状況やそれに触れた文科省等の文章が見つけられなかった。結局は学位上欠かせない科目(具体的な科目を決めたがここでは記載しない)をとりあえずは主要授業科目と位置づけ、それ以外を助教に担当させることになった。

 

 大学設置基準の条文に準じれば、講師も主要授業科目を担当してはならないのであるが、講師の人数が少ないことや新設時の助教の問題ということもあり、そこは大きな議論にはならなかった。

 

 今回の指摘(是正意見)を見ると、全て看護学科におけるものである。ある種、資格系は特殊で、薬学や医学はコアカリキュラムというのが定められており、このコアカリキュラムが主要授業科目と思われる。一方で、昨年の平成26年度の指摘(是正意見)を再度確認してみると、スポーツ系で同様の指摘がされている。ということは、主要授業科目の位置づけというのが本来あるものなのだろうか(昨年も見たはずだが見落としていた・・・)。

 http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ninka/__icsFiles/afieldfile/2015/03/06/1355057_01.pdf

 設置計画履行状況等調査で指摘があるということは、大学が7年に一度受けることが義務付けられている認証評価機関(大学評価・学位授与機構大学基準協会日本高等教育評価機構)の認証評価の際にもここが突かれる可能性がある。認証評価は大学設置基準に準じて行われるからだ(一部設置基準より厳しい目でも見られますが)。ただし、あくまで原則なので、非常勤を主としていない限りはそこまで見ないかなというのが実感ではあるが(専兼比率(専任と非常勤の比率)は見ている)。

 

 現在、三つのポリシー(AP入学者受け入れ方針、CP教育課程編成・実施の方針、DP学位授与方針)が各大学で定められているが、その策定の義務化とより具体的に明示せよということで、ガイドラインの策定が行なわれている。ガイドラインは分野(学位?)毎に策定されつつあり、一部の分野では策定済みである。これらが定まることによって、それぞれのコアカリキュラムが定まり、そこから主要授業科目が自然と決まっていくのではないかと個人的には推測している。

 

 ただし、分野(学位?)毎に定めても、学位名称を大学が決められるようになったため、現在は物凄い数の種類の学位がある。この学位の整理から始める必要があるのではなかろうかとも思う。

 

 実情を言えば、助教の方が若く研究意欲に満ちているため、研究費を獲得したり(というか研究費を獲得しないと研究費があまりない)、研究業績を積むために研究に熱心である。また、教育業績を積むことで自大学、他大学での昇進や、担当したとしても担当科目が少ないこともあって、教授等の地位に慢心している教授なんかよりは教育熱心で教育能力が高い助教もいる。そういった意味では、より助教が担当した方が学生にとってはいいのではないかとも思う。

 ただし、設置基準上准教授以上としているのは、准教授以上のある種それなりの立場の、教育に責任の持てる資格の教員が教えることで、その質を保ちなさいよということなのであろう。

 

 この設置計画履行状況等調査については、私より下記ブログ(as-daigaku23さん)の方が詳しい。より詳細に知りたい方は下記をご参照ください。

as-daigaku23.hateblo.jp

 私ももっと学ばなければ・・・汗