日々綴(とある私立大学職員)

思うことを書いていこうと思います。主として大学関連の話題。ただし、それ以外も(とある私立大学職員)

大学の役割

 「九九の言えない大学生も・・・大学のバカ化が凄いことに」に対する これでも大学職員さんのTwitter

 これには同意するところがある。本来、小学校、中学校、高校では学習指導要領があり、それらを教えることになっている。ただし、指導要領は教える内容や目標であって、"できるようになる"ことを指してはいない。ここに問題がある。

 大学の授業では、"できるようになる"という視点が必要だと言われる。そして、それに従って成績評価をするようにと。

 大学の批判も結構だが、小学校、中学校、高校とそれぞれがきちんとした教育をし、そのレベルに従った卒業認定をしていれば、大学はこんなに苦労しなくてもいいのにと思ってしまう部分がある。

 かくいう大学も求められるレベルの人材を輩出できているかと言われれば、答えに窮するが・・・。大学側も経営等の事情から、求めるレベルに達していない学生であっても、取らなければならない事情も正直あると推測される。

 

 同様に話題になった9月入学についても、小学校を9月入学にするとすれば、自然とその年代が上がっていくうちに9月入学が実現するのにとも思う(9月入学の議論は留学生の確保に加え、ギャップタームという空白期間の利用も焦点になっているから若干論点はずれるが)。

 

 結局どこが問題だという擦り付け合いの議論をしても仕方がない。将来に向けた改善をしつつ、まずは現在ある問題に目を向けなければならない。九九が言えない学生が居れば、九九が言えるように、その他の基礎ができていなければ、基礎ができるように。

 少しでも入学時からの能力を伸ばすことや、様々な経験を積むことの手助けをしつつ、良い人材を輩出していく。それこそが、我々大学に勤めるものの役割であって、これらの指摘や苦言に対する応えになるのであろう。

 といいつつ、設置を認可した文科省にも責任はあるよとも思う・・・(苦笑)