日々綴(とある私立大学職員)

日々思うことを書いていこうと思います。主として大学関連の話題。ただし、それ以外も日々の思いをつらつらと(とある私立大学職員)

学長裁量経費

 学長の権限が強化されるのと同時に、学長裁量経費を私学でも新設する大学が増えてきた。かくいう本学も近々新設されると聞いている。

 

 学長権限と学長裁量経費ってどんな関係が?とも思う方もいるかもしれないが、学長がやりたいことを実現できるようにするためには、「先立つもの」が必要ということで、私学でもこういった予算が創設、増額される傾向にある。

 

 そんな中、新潟大学が財政難のため、2年間教員人事を凍結するとの報道が出た。

www.asahi.com

 新潟大学では、2015年に学長裁量経費が増額されたようである。新潟大学所属の教授が実名で告発(?)されている以下のブログによると、2014年度3億円から2015年度12.2億円に膨れ上がったとのこと。今回の財政難も、この影響が少なからずあると推測される。

blog.livedoor.jp

 学長権限の強化は、以下でも触れたが、上手くいくときは良い。全学横断的な改革や、組織再編、予算の傾斜配分、学長の思い描くプランの実行等には必要な措置でもあろう。しかし、近年、特に国立大学に見られる状況を見ると、その弊害は非常に大きいように思われる。

hibiblog.hatenablog.com

 今回の新潟大学の決定は、現在いる優秀な教員が他の大学に移ってしまうことや、昇格できないことから優秀な教員が来にくくなること、授業への影響(減ってしまった教員分は非常勤で補填?もしくは専任のコマ数を増やす?あるいは科目の開講クラス数等を減らす?)などから弊害が非常に大きいと思われる。

 

 競争力が落ちてしまい、大学の魅力自体が落ちてしまう可能性が高い。実際にどんなところに学長裁量経費が配分されているかは分からないが、大変失礼ながら、力を入れるところが違うのではないかと思う。

 

 多くの私学でも、今後学長裁量経費の創設と増額が予想される。そうした中で、一定程度の歯止めなりなんなりを持つことは必要である(以前述べた学長のリコール制度等)。もちろん先に述べた利点はあるが、大学の本来の目的である教育、研究、社会貢献に影響があっては本末転倒である。本学がそうならないことを願う。

 

ーー2/4 20:05 追記ーー

 新潟大学の学長裁量経費の推移(実績) 平成22~24事業年度における「共通の観点」に係る 取組状況に関する資料より

 H22 1,050,800千円

 H23   817,240千円

 H24   318,578千円

 H23は特に東日本大震災からの復興につながる研究に特別に支援したようで、こうした取り組みは素晴らしいと思う。実際に学長裁量経費がどういったところに配分されているのか。それは他より優先すべき事項だったのか。そのあたりをしっかりと追う必要がある。H24が3.1億、H25は不明(資料が見つけられませんでした)H26も3億ほどだったことからすると、3億前後で安定していた(?)経費をなぜ増額したのか。

 国立大学の場合、文科省は2016年度から運営費交付金の5%を学長裁量経費とするようにしているようだが、新潟大学の場合、これは6億円になるという。

www.nikkei.com

 新潟大学経営協議会議事概要

 https://www.niigata-u.ac.jp/profile1/70_accountability_030/keiei/keiei270318.pdf

 国立大学の場合、元々情報公開請求の対象であったたため、議事録等が公開されていて、追いやすい部分もある。こういったものも歯止めの手段として使えないかなと思う。本学は公表していないが、以下のhigh190さんの記事のように私大でも公開している大学もあるので。

d.hatena.ne.jp