日々綴(とある私立大学職員)

思うことを書いていこうと思います。主として大学関連の話題。ただし、それ以外も(とある私立大学職員)

聞こえの良い言葉は疑ってかかるべき

 教育関係者の間では、よく耳にする「アクティブ・ラーニング」。

 正直、耳にタコができたと言えるくらい聞いてきた。手法としては優れたものであるが、最近は聞き過ぎて"キラキラワード"として処理するようにすらなってしまった。

 アクティブ・ラーニングとは、文科省の用語解説によると、「教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れ た教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、 教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査 学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク 等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である」。

 いわゆる大人数の講義形式から、少人数のディベート等の形式への変更と捉えるとわかりやすい。

 キラキラワードについて、どこかで聞いたと思って探すと以下にあった。

bylines.news.yahoo.co.jp

 文科省の調査等では、大人数の授業は推奨されていないことから、アクティブ・ラーニングも少人数が前提となっているだろう。しかし、有名なハーバード大学マイケル・サンデル教授の講義(ディベート?)は大人数だが、教育効果が低いとは私には思えない。アクティブ・ラーニングとはあくまで手法であり、その目的である汎用的能力、社会人基礎力(これもキラキラワード)の育成に主眼を置くべきであり、手法ばかりに気を取られるべきではない。

 社会人基礎力については以下。 

www.meti.go.jp

 大学側にとっても、すべての講義をアクティブ・ラーニングにするだけの資源はないし、やる教員側も正直疲弊する。あくまで手法の一つとして考えるべきで、取り入れられるものから取り入れるという姿勢で良いのではないかと思う。目的を達成するためには別の方法(反転授業等)でも良い。

 

 文科省が言うこうした耳障りの良い(?)、キラキラワードは疑ってかかるべきだと思う。

 

 アクティブ・ラーニングの目的については、他の方がブログで触れており、私よりよほど詳しいのでこちらを参照されたい。

kkawasee.hatenablog.com